【今さら聞けない.xlsmと.xlsxの違い】特徴とメリット・デメリットを分かりやすく解説!

【今さら聞けない.xlsmと.xlsxの違い】特徴とメリット・デメリットを分かりやすく解説!

Excelファイルの拡張子について、.xlsmと.xlsx、この2つの違いは何なのでしょうか? 一見、同じように見えるこの2つの拡張子ですが、実はそれぞれに特性と利用シーンが異なります。

本記事では、.xlsmと.xlsxの違いについて詳しく解説します。これを読めば、Excelファイルの拡張子について理解が深まること間違いなしです。

.xlsmと.xlsxの違い

Excelのファイル形式には、主に「.xlsm」と「.xlsx」の2種類が存在します。これらのファイル形式は一見同じように見えますが、実はいくつかの重要な違いがあるのです。以下にその具体的な違いを5つ挙げてみましょう。

マクロの有無

.xlsmファイルと.xlsxファイルの最も顕著な違いは、マクロの有無です。.xlsmファイルはマクロを含むことができますが、.xlsxファイルはマクロを含むことができません。マクロとは、一連の作業を自動化するためのプログラムのことを指します。例えば、複雑な計算を自動化したり、特定の条件下でセルの色を変更するなど、マクロを使用することで手動で行うには時間がかかる作業を効率化することが可能です。

ファイルサイズ

.xlsmファイルはマクロを含むため、そのファイルサイズは.xlsxファイルよりも大きくなる傾向があります。マクロはプログラムコードを含むため、その分だけファイルサイズが増加します。ファイルの保存や転送に時間がかかる場合があります。一方、.xlsxファイルはマクロを含まないため、同じ内容のデータでもファイルサイズが小さくなります。

互換性

.xlsxファイルと.xlsmファイルのもう一つの違いは、互換性にあります。.xlsxファイルはより広範なバージョンのExcelと互換性がありますが、.xlsmファイルはマクロをサポートするバージョンのExcelでしか開くことができません。.xlsxファイルはより多くのユーザーと共有することが可能です。一方、.xlsmファイルはマクロを含むため、マクロをサポートしているExcel環境でしか開くことができません。

セキュリティ

.xlsmファイルはマクロを含むため、悪意のあるマクロによるセキュリティリスクがあります。マクロはプログラムコードを含むため、悪意のあるコードを含む可能性があります。不明なソースからの.xlsmファイルは開かないように注意が必要です。一方、.xlsxファイルはマクロを含まないため、このようなリスクはありません。

機能性

.xlsmファイルはマクロを使用することで、複雑な計算や作業を自動化することが可能です。これにより、時間のかかる作業を効率化したり、エラーを減らすことが可能です。一方、.xlsxファイルはマクロを使用することができないため、手動で作業を行う必要があります。しかし、マクロを使用せずとも、Excelの基本的な機能だけでも多くの作業を効率的に行うことが可能です。

以上のように、.xlsmと.xlsxはいくつかの重要な違いがあります。これらの違いを理解することで、適切なファイル形式を選択し、効率的に作業を進めることが可能となります。

比較項目.xlsm.xlsx
マクロの有無マクロを含むことができるマクロを含むことができない
ファイルサイズマクロを含むためファイルサイズが大きいマクロを含まないためファイルサイズが小さい
互換性マクロをサポートするバージョンのExcelでしか開けないより広範なバージョンのExcelと互換性がある
セキュリティ悪意のあるマクロによるセキュリティリスクがあるマクロを含まないためセキュリティリスクはない
機能性マクロを使用することで複雑な作業を自動化できるマクロを使用することができず、手動で作業を行う必要がある

.xlsmのメリット・デメリット

.xlsmのメリット

Excelのファイル形式である.xlsmには、以下のようなメリットがあります。

.xlsm形式の最大のメリットは、Excelのマクロと呼ばれる自動化機能を利用できることです。マクロは、繰り返し行う作業を自動化することで、作業効率を大幅に上げることが可能です。例えば、複数のシートに跨って同じ操作を行う、特定の条件でデータをフィルタリングする、一連の計算を実行するといった作業を、マクロによって一度に実行することができます。

これにより、手作業で行うと時間がかかる作業や、ミスが生じやすい作業を効率よく、かつ正確に行うことができます。

マクロを利用することで、単純な計算だけでなく、条件分岐や繰り返し処理など、より複雑な処理を実行することができます。これによって、Excelの可能性が大幅に広がります。

例えば、特定の条件に基づいて異なる計算を行う、データの集計結果に基づいてグラフを自動的に作成するといった処理を、マクロを使って実装することができます。これにより、より高度なデータ分析や報告作成を、効率よく行うことができます。

.xlsmのデメリット

一方で、.xlsm形式には以下のようなデメリットもあります。

.xlsm形式はマクロを含むことができますが、そのマクロが悪意のあるコードを含んでいる場合、セキュリティ上のリスクとなります。信頼できないソースからの.xlsmファイルは開かないように注意が必要です。

メールの添付ファイルや、インターネット上からダウンロードした.xlsmファイルを開く際には、ファイルの出所を確認し、信頼できるものであることを確認してから開くようにしましょう。

マクロを利用するためには、VBAと呼ばれるプログラミング言語の知識が必要です。プログラミングに慣れていない人にとっては、マクロの利用はハードルが高いかもしれません。

ただし、基本的な操作や簡単なスクリプトなら、インターネット上に多くの情報が公開されているため、自分で学習することも可能です。VBAの知識がある人に依頼することで、マクロの作成や修正を行うこともできます。

.xlsm形式は、マクロを含むことができる特性上、古いバージョンのExcelや一部のExcel互換ソフトでは開くことができない場合があります。ファイルを共有する際には、相手がどのバージョンのExcelを使用しているのか確認が必要です。

Excel 2007以前のバージョンや、Excelと完全に互換性のないソフトウェアを使用している場合、.xlsmファイルを開くことができない可能性があります。そのような場合、.xlsxや.csvなどの他の形式で保存し直すなどの対応が必要となります。

.xlsxのメリット・デメリット

.xlsxのメリット

Excelのファイル形式である.xlsxには、以下に挙げるようないくつかのメリットが存在します。これらの特徴を理解することで、Excelの利用がより効率的になることでしょう。

.xlsx形式の一番の特徴は、マクロ(VBA)が動かないという点です。 これは、マクロウイルスからの保護を考慮した設計となっています。マクロウイルスは、Excelのマクロ機能を悪用して不正な動作をさせるウイルスで、情報の漏洩やシステムの不正操作を引き起こす可能性があります。.xlsx形式ではマクロが動かないため、このようなリスクを大幅に軽減することができます。

.xlsx形式のファイルは、.xls形式に比べてファイルサイズが小さい傾向にあります。これは、.xlsx形式がZIP圧縮されたXML形式で保存されるためです。大量のデータを扱う場合でも、ファイルサイズを抑えることが可能です。これにより、データの保存や転送がスムーズに行えるだけでなく、ストレージの節約にも貢献します。

.xlsx形式は、Excel 2007以降のバージョンで標準となった形式です。新旧のExcelバージョン間での互換性が高いというメリットがあります。異なるバージョンのExcelでも開くことができるため、データの共有や移行が容易になります。 複数の人が共同で作業を行う場合や、別のPCで作業を続ける必要がある場合には、この互換性の高さが大いに役立ちます。

.xlsxのデメリット

一方で、.xlsx形式にはいくつかのデメリットも存在します。これらの点を理解し、適切なファイル形式を選ぶことが重要です。

先に述べた通り、.xlsx形式ではマクロが動かないという特徴があります。しかし、これは一方でデメリットともなります。マクロを用いて自動化した処理を行いたい場合、.xlsx形式では対応できません。このような場合は、マクロが利用可能な.xls形式や.xlsm形式を使用する必要があります。

.xlsx形式はExcel 2007以降のバージョンで使用可能な形式です。Excel 2003など、それ以前のバージョンのExcelでは開くことができません。古いバージョンのExcelを使用している場合や、データを古いバージョンのExcelを使用している人に共有する必要がある場合には、.xls形式を使用することを検討する必要があります。

.xlsmの特徴と歴史

Microsoft Excelのファイル形式である.xlsmには、他の形式とは異なる特徴がいくつかあります。その歴史はExcelのバージョンアップとともに進化してきました。

.xlsmの特徴

.xlsmはExcelのファイル形式の一つで、その特徴は以下の5つにまとめられます。

  • マクロの使用が可能
  • VBA(Visual Basic for Applications)コードを含むことができる
  • Excel 2007以降で使用可能
  • マクロを含むため、ファイルサイズが大きくなりやすい
  • セキュリティ上のリスクがある

マクロは一連の操作を自動化するためのプログラムで、これにより複雑な計算や反復的な作業を簡単に行うことができます。VBAはMicrosoft Office製品内でマクロを作成するためのプログラミング言語で、.xlsmファイルではこのVBAコードを含むことが可能です。

ただし、マクロを含むためにファイルサイズが大きくなりやすく、マクロは悪意のあるコードを含む可能性があるため、セキュリティ上のリスクも伴います。

.xlsmの歴史

.xlsmファイル形式の歴史は、Microsoft Excel 2007の登場とともに始まりました。それ以前のExcelでは、.xls形式が主に使用されていましたが、Excel 2007からは新たに.xlsx形式が導入され、マクロを含むファイルのための.xlsm形式も登場しました。

.xlsm形式の登場により、Excelの利便性は大きく向上しました。一連の作業を自動化するマクロの利用により、作業の効率化が図られ、VBAを用いたカスタマイズにより、より高度な操作が可能となりました。

しかし、その一方で、マクロによるセキュリティリスクも指摘されています。マクロはその性質上、悪意のあるコードを含む可能性があり、これが実行されると、システムに深刻なダメージを与えることもあります。

.xlsm形式の利用には注意が必要です。信頼できるソースからのファイルのみを開く、マクロの実行を許可する前に内容を確認するなどの対策が求められます。これらの対策を講じることで、.xlsm形式の持つ便利さを最大限に活用することが可能となります。

.xlsxの特徴と歴史

Microsoft Excelのファイル形式にはいくつかの種類がありますが、その中でも特に広く利用されているのが.xlsx形式です。この形式は、Microsoft Excel 2007から導入され、その後のバージョンでも引き続き使われています。

.xlsxの特徴

.xlsx形式の一番の特徴は、その広範な互換性と高い安全性にあります。この形式はExcel 2007以降の全てのバージョンで利用可能であり、また他のスプレッドシートソフトウェアでも開くことができます。異なるソフトウェア間でデータを共有する際にも、.xlsx形式がよく使われます。

.xlsx形式はマクロ(自動化された一連の操作)を含まないため、ウイルスやマルウェアのリスクが低いという特徴もあります。これは、ファイルを開いた際に予期しない動作を引き起こす可能性があるマクロウイルスの影響を受けにくいという意味です。

  • 広範な互換性
  • 高い安全性
  • マクロの非対応
  • ファイルサイズの小ささ
  • XMLベースのフォーマット

.xlsx形式はXMLベースのフォーマットであるため、データの構造が明確で、ファイルが破損しても部分的にデータを回復することが可能です。XMLベースのためファイルサイズが小さく、データの保存や転送が容易になります。

.xlsxの歴史

.xlsx形式の歴史は、2007年のMicrosoft Excel 2007の発売から始まります。この時に導入された新しいファイル形式は、それまでのバイナリ形式(.xls)からXMLベースの形式へと大きく変わりました。

この変更は、ファイルの互換性と安全性を大幅に向上させるとともに、ファイルサイズの削減というメリットももたらしました。XMLベースの形式になったことで、データの構造が明確になり、部分的なデータ回復が可能となるなど、データの耐久性も向上しました。

その後も.xlsx形式は、Excelの各バージョンで引き続き採用され、現在でも広く使われています。その互換性と安全性、そしてデータの耐久性から、多くのユーザーにとって信頼できるファイル形式となっています。

.xlsmと.xlsxの違いまとめ

本記事では、Excelのファイル形式「.xlsm」と「.xlsx」の違いについて説明しました。以下にその要点をまとめます。

  • .xlsmと.xlsxの最大の違いはマクロの有無。.xlsmはマクロを含むことができ、作業の自動化が可能ですが、.xlsxはマクロを含むことができません。
  • .xlsmファイルはマクロを含むため、そのファイルサイズは.xlsxファイルよりも大きくなる傾向があります。
  • .xlsxファイルはより広範なバージョンのExcelと互換性がありますが、.xlsmファイルはマクロをサポートするバージョンのExcelでしか開けません。
  • .xlsmファイルはマクロを含むため、悪意のあるマクロによるセキュリティリスクがあります。一方、.xlsxファイルはマクロを含まないため、このようなリスクはありません。
  • .xlsmファイルはマクロを使用することで、複雑な計算や作業を自動化することが可能です。一方、.xlsxファイルはマクロを使用することができないため、手動で作業を行う必要があります。

これらの違いを理解することで、自分の作業に最適なファイル形式を選択することができます。作業の効率化やセキュリティ対策の観点から、適切なファイル形式の選択は非常に重要です。この記事が、あなたのExcel作業をよりスムーズに、そして安全に進めるための参考になれば幸いです。