【今さら聞けないBashとPythonの違い】特徴とメリット・デメリットを分かりやすく解説！

2023.08.24投稿

プログラミングの世界では、様々な言語が存在し、それぞれが異なる特性や用途を持っています。その中でも、特に注目されているのがBashとPythonです。

しかし、これら二つの言語は何が違うのでしょうか？それぞれがどのような場面で使われるのでしょうか？この記事では、BashとPythonの違いやそれぞれの特性を分かりやすく解説します。記事を読めば、BashとPythonの違いを誰でも理解することができます。

BashとPythonの違い

プログラミングにおいて、BashとPythonはそれぞれ異なる特性を持つ言語です。以下に、BashとPythonの主な違いを5つ挙げてみましょう。

スクリプト実行環境の違い

BashはUnixやLinuxのシェル（ユーザーとOS間のインターフェース）として使用される言語で、基本的にはコマンドライン上で動作します。これは、ユーザーが直接コマンドを入力して操作するための環境を提供しているということです。

一方、Pythonは汎用的なプログラミング言語で、ウェブアプリケーションやデータ分析、AI開発など幅広い分野で活躍します。Pythonはコマンドラインだけでなく、GUI環境でも動作し、多様なアプリケーション開発に利用されます。

文法の違い

BashとPythonはそれぞれ異なる文法を持っています。BashはUnixのコマンドラインを直接操作するためのシンプルな文法を持っています。これは、ファイルの操作やプロセスの管理など、システムレベルのタスクを効率的に行うための設計がされています。

一方、Pythonは可読性に重点を置いたクリーンな文法が特徴で、初心者にも学びやすい言語とされています。Pythonの文法は英語に近い自然な表現が多く、コードが直感的に理解しやすいという点が評価されています。

実行速度の違い

BashとPythonの実行速度は、スクリプトの内容や実行環境によりますが、一般的にはPythonの方が高速です。これはPythonがコンパイル言語であるため、一度に多くの命令を処理できるからです。

一方、Bashはインタプリタ言語であり、一度に一つの命令しか処理できません。しかし、シェルスクリプトとして利用される場合、実行速度よりもスクリプトの簡潔さや直感性が求められることが多いです。

ライブラリの充実度

Pythonは非常に多くのライブラリを持っています。これらのライブラリにより、データ分析やウェブ開発、機械学習など、様々なタスクを容易に行うことができます。

一方、Bashは主にシステム管理やファイル操作を行うための基本的なコマンドのみを提供しています。Bashのライブラリは限られていますが、シェルスクリプトとしての役割を考えると、必要十分な機能を持っていると言えます。

ポータビリティ（移植性）の違い

BashはUnix系のOSで広く利用されていますが、Windowsではデフォルトでは利用することができません。これは、BashがUnix系OSのシェルとして開発されたためで、Windowsとは基本的な設計が異なります。

一方、PythonはWindows、Mac、Linuxなど、様々なOSで動作します。このため、PythonはBashよりも高いポータビリティを持つと言えます。PythonのコードはOS間でほぼそのまま動作するため、開発者にとっても移植性の高さは大きな利点となります。

比較項目	Bash	Python
スクリプト実行環境	UnixやLinuxのシェルとして使用、主にコマンドライン上で動作	汎用プログラミング言語として、ウェブアプリケーションやデータ分析、AI開発など幅広い分野で使用、GUI環境でも動作可能
文法	シンプルでシステムレベルのタスクを効率的に行う設計	可読性に重点を置いたクリーンな文法、英語に近い自然な表現が多い
実行速度	一般的にはPythonより遅い、一度に一つの命令しか処理できない	一般的にはBashより高速、一度に多くの命令を処理できる
ライブラリの充実度	主にシステム管理やファイル操作を行うための基本的なコマンドのみ	非常に多くのライブラリを持ち、データ分析やウェブ開発、機械学習などを容易に行うことができる
ポータビリティ（移植性）	Unix系のOSで広く利用、Windowsではデフォルトでは利用できない	Windows、Mac、Linuxなど、様々なOSで動作、OS間でほぼそのまま動作する

Bashのメリット・デメリット

Bashのメリット

Bashにはいくつかのメリットがあります。その中でも特に重要なポイントを以下に挙げています。

シェルスクリプトに最適：Bashはシェルスクリプト（コンピューターに一連の命令を実行させるためのスクリプト）の作成に最適な言語で、LinuxやMacのターミナルで直接コマンドを実行する際によく使われます。自動化したいタスクがある場合でも、Bashを使えば手軽にスクリプトを作成できます。
環境構築が不要：BashはLinuxやMacのシステムにデフォルトで組み込まれているため、特別な環境構築をする必要がありません。これにより、すぐにスクリプトの作成を始めることが可能です。

Bashのデメリット

一方で、Bashには以下のようなデメリットも存在します。

複雑な処理には向かない：Bashはシェルスクリプトに最適な言語ですが、その反面、複雑な処理や大規模なプログラムを書くのには向いていません。例えば、データ分析やウェブ開発など、複雑な処理を必要とする場合、PythonやJavaScriptなど他の言語の方が適しています。
Windowsとの互換性が低い：BashはLinuxやMacに組み込まれていますが、Windowsではデフォルトで利用できません。WindowsでBashを使いたい場合は、専用のソフトウェアをインストールする必要があります。WindowsユーザーにとってはBashの利用は少々面倒な面もあります。

以上がBashのメリットとデメリットです。Bashはシンプルなスクリプトの作成には適していますが、複雑な処理やWindows環境との互換性には弱点があることを理解しておきましょう。

Pythonのメリット・デメリット

Pythonについて、そのメリットとデメリットを詳しく解説します。これからPythonを学びたい方、またはどのプログラミング言語を学習するべきか悩んでいる方の参考になれば幸いです。

Pythonのメリット

Pythonのメリットは以下の通りです。

初学者に優しい
広範なライブラリ

Pythonはその文法がシンプルで直感的なため、初学者が学びやすいという大きなメリットがあります。他のプログラミング言語に比べて覚えるべきルールが少なく、またそのルールも英語の文法に近いため、初めてプログラミングを学ぶ人にとっては理解しやすい言語と言えます。

Pythonには豊富なライブラリが存在します。これらのライブラリを利用することで、データ分析、機械学習、ウェブ開発など、様々なタスクを効率的に行うことができます。これにより、Pythonは多岐にわたる分野で活躍することが可能となります。

Pythonのデメリット

一方で、Pythonにもいくつかのデメリットがあります。以下にその主なものを挙げます。

実行速度の遅さ
モバイルアプリケーションの開発には向かない

Pythonの大きなデメリットとして、実行速度の遅さが挙げられます。Pythonはインタプリタ型の言語であるため、同じ処理を行うCやJavaなどのコンパイラ型の言語に比べて実行速度が遅くなることがあります。大量のデータを扱うデータ分析や機械学習の分野ではこの遅さが問題となることがあります。

Pythonはウェブアプリケーションの開発には適していますが、モバイルアプリケーションの開発にはあまり向いていないと言われています。これはPythonが主にサーバーサイドで使用される言語であるため、iOSやAndroidなどのモバイルアプリケーション開発にはJavaやSwiftなどの言語がより適しているからです。

以上、Pythonのメリットとデメリットについて解説しました。Pythonは初学者に優しく、また広範なライブラリを持つ一方で、実行速度の遅さやモバイルアプリケーションの開発には向かないという特性も持っています。これらの特性を理解した上で、Pythonを学ぶかどうかを決めると良いでしょう。